理系大学院で博士学位を取得し、2020年から化学メーカーで働いているJan(ジャン)です。
「博士就活体験記」では、私が博士新卒採用に応募し、面接を受けた体験を企業ごとに紹介します。
第1回目は、製薬大手の第一三共株式会社です。
エントリー ~ 書類審査
以前の記事でも書きましたが、私が本格的に就活を始めたのは12月1日の就職説明会からであり、かなりスタートが遅れました。
第一三共はこちらの説明会に参加しており、説明を聞いて応募することに決めました。
しかし、第一三共の書類提出などの締め切りは12月9日の朝だったので、説明会から約1週間しかありませんでした。
過去に履歴書や研究概要を作っていればそれを手直しして利用できるのですが、この時は初めてなので一から書く必要があります。
他にも写真撮影などやることはいくつもあり、さすがにこの時はハードスケジュールでした。
皆さんは余裕をもって早めに就活を始めてくださいね!
エントリーシートと提出書類
エントリーシートは比較的シンプルで、設問数も少なかったです。
主な設問は「製薬会社の研究職を志望した理由」と「第一三共株式会社の一員として新たに『挑戦』したいこと」の2つのみでした。
一方、研究概要は比較的重く、A4で4ページ分です。
まず1ページ分に研究概要を書き、残り3ページに研究内容の詳細と、論文・学会発表・受賞リストを書きます。
私は最後の1ページを発表リストに当て、研究内容の詳細は2ページにまとめました。
特徴的だったのは、「学業以外に何かチャレンジしたエピソード」を書いた書類(わたしのチャレンジシート)の提出も求められたことです。
こちらはA4で1ページなので分量としては軽いですが、研究に没頭してきた博士学生にとってはなかなか難問かもしれません。
私は、B3の時にサークルの代表をやっていた経験を引っ張り出して書きました。
ウェブテスト
何とか締め切りまでに書類を提出し、次のステップであるウェブテストに進みました。
第一三共はテストセンターは利用せず、自宅で受験するタイプのウェブテストを採用していました。
こちらは割と難しめです。
特に、グラフや表を見て判断させる問題が多かったように思います。
ウェブテストの受験締め切りが12月11日であり、その2日後に面接選考の案内が届きました。
一次面接
面接の形式と特徴
第一三共の一次面接では、大学での研究内容をがっつり話すことになります。
説明会でも「一次面接では大学での研究のことしか聞きません!」と宣言していました。
(後述しますが、実際は研究以外の話をすることもあるようです)
まず、自分の研究内容について発表した後(確か15分だったと記憶しています)、面接官の方から質問を受けます。
発表形式は自由であるもののパソコンは使えないため、私はスライドをA4用紙に印刷して持っていきました。
面接時間は発表と質疑応答を合わせて50分だったと思います。
会場到着から面接まで
会場は、品川の研究開発センターでした。
入り口で、守衛さんに面接を受けに来た旨を伝え、すぐ近くの待合室で他の就活生とともに待ちます。
就活生は自分も入れて10人ほどだったと思います。
中には、プレゼン資料としてスケッチブックを持ってきている方もいました。
(資料をただの紙に印刷してきた私は若干動揺しますが、それを顔には出さない笑)
全員揃ったらホール(体育館)の入り口に移動して、時間まで待ちます。
待っている間、人事の方が緊張をほぐすように笑顔で話しかけてくださいました。
時間になり、ホールの中に入ります。
ホールはパーティションで区切られており、それぞれの区画に机と椅子があります。
私の区画では、面接官は2人でした。
面接では、まず研究発表を行った後、面接官の方からの質問に答え、最後に逆質問で終了です。
事前に言われていた通り、研究のことしか聞かれませんでしたが、研究の内容についてだけ質問されたわけではありません。
発表後の質問時間のうち、半分ほどは「何を考えながら」「どのように工夫して」研究を進めていたか、という点について聞かれました。
例えば「研究を進める中で、最も困ったことは何ですか?」と言った質問です。
面接官の方は、どちらも私の研究分野に詳しいわけではありませんでしたが、興味を持って聞いてくれました。
面接前の待ち時間に話しかけてくれた人事の方たちと同様、親しみやすい印象でした。
面接後
面接を終えた就活生は、ホールを出て控室に行きます。
そこで他の就活生の話を聞いたところ、何と研究以外の話を聞かれた人もいたそうです。
内容としては、「わたしのチャレンジシート」に書いたことを聞かれたそうです。
中には、「わたしのチャレンジシート」について話し終わっても時間が余り、「他にもう一つない?」と聞かれた人も…。
私の予想ですが、自分の研究内容が面接官の専門と完全に一致していると、内容が完全に理解できるため質問が出ず、その結果時間が余ってしまったのかなと思います。
面接時間が決まっているため、面接官からの質問に対してあまりに短く答えすぎると、時間が余って困ってしまうかもしれません。
質問に対する返答は長すぎてもいけませんが、しっかりと答えられるよう準備しておきましょう!
面接後は、20分ほどかけて敷地内を見学しました(この日は雨だったので主に屋内)。
帰り道で、他の就活生の話を聞いてみると、インターンや事前の説明会に参加している人が多くいました。
何一つ参加していない私は、若干の不安を覚えつつ帰宅しました。
最終面接
不安はあったものの一次面接は通過し、次はいきなり最終面接となりました。
会場は前回と同じ品川の研究開発センターです。
面接の形式と特徴
最初に自分の研究について2~3分で説明します。
今回は紙などの資料は使わず、口頭で話すのみです。
面接官は3人おり、自分は少し離れた位置の椅子に座って話すことになります。
また、面接官のほかに司会の方が一人います。
面接時間は20分でした。
会場到着から面接まで
会場到着後、前回とは別の控室に案内されます。
そこで面接形式や交通費などについて説明を受けた後、面接の時間まで待ちます。
私の前後に面接を受ける就活生と同席する時間も少しだけありましたが、基本的に待合室には自分と人事の方のみとなります。
待ち時間の間は、人事の方が絶えず話しかけてくるため、ずっとおしゃべりしていました。
待ち時間の間に面接で話す内容を確認しようと考えていた私にとっては少し誤算でしたが、緊張をほぐしてあげたいという優しい想いを感じました。
時間が来ると面接室に案内されます。
自分の研究内容のまとめを話した後は、基本的にエントリーシートに記入した内容について質問を受けました。
最後に逆質問をして、これで終了だと思っていたのですが、最後に司会の方からこう訊かれます。
最後に、Janさんは内定をもらったら弊社に入社して下さいますか?
これは、完全に予想外でした。
正直に言うと、第一三共は第一志望ではなかったため、1秒答えに詰まった挙句「はい」とだけ答える形になってしまいました。
私が就職面接を受けたのはこれが初めてでしたが、面接の恐ろしさを実感したのでした。
結果
言うまでもないですが、不採用となりました。
最後の失敗が無ければいけたかもしれないと思うと残念でしたが、面接本番には何があるか分からないということを最初から肌で学べたのはむしろ良かったのかもしれません。
まとめ
今回の記事は、第一三共株式会社の博士学生を対象とした採用面接を受けた経験を書きました。
ポイントは以下の通りです。
- 製薬業界共通だが、エントリーの締め切りが早い。
- 面接は一次面接と最終面接のみ。
- 一次面接は(ほとんど)研究についてのみ聞かれる。
- 最終面接は、逆質問の後まで気を抜かないように!
全体を通して、第一三共の社員の方たちはまじめで親切だという印象を受けました。
とても良い企業だと思うので、応募を考えている方はぜひ本記事を参考にしてみてください!
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