理系大学院で博士学位を取得し、2020年から化学メーカーで働いているJan(ジャン)です。
「博士就活体験記」では、私が博士新卒採用に応募し、面接を受けた体験を紹介します。
今回は、住友化学株式会社の後編です。
前編では、博士学生向け会社説明会と、エントリーシートなどの書類審査について書きました。
後編では、私Janが面接を受けた経験について書きます。
録画面接
書類審査に通過すると、次は一次面接に当たる「録画面接」を受けることになります。
こちらは、設問に対して自分が回答する映像・音声がオンライン上で記録され、その内容によって審査されるというものです。
2021年1月現在、新型コロナウイルスの感染が拡大しており、各社オンラインを活用した採用活動を行っていると思いますが、住友化学ではその前から録画面接を行っています。
この点で言えば、先見の明があったのかもしれませんね。
必要な環境
録画面接を受ける前提として、まずは静かな環境を確保しましょう。
カフェなど、雑音が入ってしまう環境で受けるのは好ましくないです。
特別な事情がない限りは、自宅で良いと思います。
また、自分の映像も記録されるため、明るい部屋で録画面接を受ける方が良いです。
さらに、インターネットの接続状況が良好な場所を選びましょう。
これらに加え、以下の条件も求められます。
- パソコンの使用(スマートフォンは不可)
- カメラとマイク
- ブラウザはgoogle chromeを使用
- googleアドオンの追加が必要(録画面接開始時にインストールを求められます)
結構注文が多いですよね・・・。
しかし、逆に言うと、これくらいのオンライン環境を用意できる程度のITリテラシーが最低限求められていると考えるべきなのではないかと思います。
面接の内容
始めに、社員の方の動画が流れ、面接の形式などが説明されます。
その後は、以下の順番で進みます。
(1)名前、大学名・専攻など、自己紹介(最大30秒間)
(2)研究概要プレゼンテーション(最大3分間)
(3)1つのエピソードに基づいて関連する質問4問(1問あたり最大1分間)
- 学生時代に一番力を入れた活動や取り組み(きっかけや目標、当初の課題なども)
- 困難だったこと、工夫した点
- 最終的な結果、及びなぜそのような結果になったと思うか
- 得られた教訓を今後どのように活かそうとしているか
(4)自由PR(最大3分間)
これらの録画面接は、設問ごとに何度でも撮り直しができます。
(証明写真撮影機みたいなものです)
うまく話せなかったと思ったら、再度録画しなおせばよいので安心です。
他の注意事項として、(2)の研究概要プレゼンテーションは、画面共有機能によりPowerpointを用いて行います。
時間は3分と短いので、要点を絞った発表を心掛けましょう。
また、(3)の4つの質問は、全て1つのエピソードについて話すことになります。
そのため、話す内容が十分にあるエピソードを選択しましょう。
私は修士・博士課程での研究内容を選びました。
録画面接の意味
私が思うに、この録画面接は話す内容云々よりも、「録画面接をきちんと実行できる程度のITリテラシーを持っているか?」を審査しているようです。
というのも、私はこの録画面接で致命的な失敗をしたにも関わらず、審査を通過したからです。
前節に記した録画面接の項目(3)「1つのエピソードに基づいて関連する質問4問」について、具体的な内容は録画面接を受け始めるまで明らかにされていませんでした。
そのため、質問を一つ見て、回答の原稿を作成し、回答の録画をする、という作業を繰り返すことになったのですが、これにはかなり時間がかかります。
さらに、「4つの質問の内容が全て分かった状態で回答を作成した方がベストな回答を作れる!」と考えた私は、2問目までの回答を録画した段階で、3,4問目は設問を確認しただけで回答をスキップし、録画面接を最終段階まで進めました。
これは、録画面接の説明の冒頭で、「一旦最後まで録画面接を進めた後、再度最初からやりなおせる」という説明があったためです。
しかし恐ろしいことに、私の録画面接は終了してしまい、やり直すことはできませんでした。
これはやばいと思い、人事の方に電話して「再度やり直させてくれないか」とお願いしたのですが、「現在録画してある分で審査するのでもう大丈夫ですよ」と言われました。
戦々恐々としながら審査結果を待っていたところ、審査通過との連絡を受けました。
・・・この結果を見て、皆さんはどう思うでしょうか?
私の考えでは、録画面接の内容は重視しておらず、むしろ「録画面接をきちんと実行できるのか」が審査されていると思います。
会社員として働く際、社内、社外を問わず、オンラインで会議を行う機会は頻繁にあります。
新型コロナウイルスの影響で、その流れは今後間違いなく加速していくはずです。
企業としては、このオンライン化の流れへの対応を、若い新入社員に期待していると思われます。
ですので、「カメラとマイクをパソコンに接続してオンラインで人と話す」という課題を出すことで、オンライン化に対応するための最低限の能力を持っているか審査しているのだと思います。
他にも、「背景に変なものが映らないようにする」「雑音が入らないようにする」といった、オンラインならではの心配りも審査されているのかもしれません。
自分がオンライン環境に慣れていることをきちんとアピールしよう!
人事面接
続いて人事面接に進みました。
こちらもオンラインでしたが、今回は人事の方とオンライン通話をする形で、双方向での面接でした。
面接官の方は元々技術系の社員だったそうで、終始和やかな雰囲気で面接が進みました。
技術面接
3度目の面接は、ようやく対面(オフライン)での面接です。
私はバイオ系の研究をしていたので、大阪の研究所で面接を受けることになりました。
人によって面接場所は異なるようです。
ちなみに、交通費は出してもらえました。
朝から面接だったので、前日の夜に駅近くの宿に泊まりました(こちらは自腹なので安宿です)。
研究所はUSJの隣の駅にあるため、USJに向かう人たちに混ざりスーツで電車に乗っていました笑
面接の内容
面接官は、研究所の技術系社員の方3人と、東京勤務の人事の方が1人でした。
私と、面接官の方がそれぞれ自己紹介した後、Powerpointを使って15分ほど自分の研究内容について説明します。
その後、技術系社員の方から発表内容に関する質問を受け、最後に人事の方から人事に関する質問を受けました。
面接終了後は、若手社員の方に研究所の中を紹介していただきました。
面接の感想
特に技術系の社員の方は「真面目そうだな」という印象を受けました。
私がやってきた研究は基礎研究に近いのですが、質問は実用化に関するものばかりだったので、自分の研究のポイントがうまく伝わってないような感覚がありました。
面接の結果
技術面接の結果、不採用となりました。
私が感じていたのと同じように、面接官の方たちも「この人とはいまいち合わなさそうだな」と感じていたのだと思います。
重い書類審査と、3回の面接を受けてきただけに残念ではありましたが、これは仕方なかったと思います。
住友化学(前編・後編)まとめ
前編と後編の2回に分けて、住友化学株式会社の博士学生を対象とした採用審査を受けた体験を書きました。
ポイントは以下の通りです。
- 博士学生を対象とした会社説明会に参加できる
- 書類審査は項目が多く結構重たい
- 録画面接は設問への回答だけでなく、録画自体がきちんと出来ているか注意
僕が採用審査を受けた限りでは、住友化学には堅実で落ち着いた方が比較的多いという印象を受けました。
ただ、会社説明会にはかなり個性的な社員の方もいらっしゃったので、色々な方がいる会社だと思います。
良い会社だと思うので、気になった方はぜひ受けてみてください!
住友化学の採用面接体験の前編はこちら↓
コメント